今注目されている、子どもの発達障害。一昔前までは、発達障害という名前すら聞き慣れなかったと思いますが、現代では一層問題視され、教育現場の在り方も変わってきています。問題視されているというのは、子どもの発達障害自体ではありません。発達障害を抱える子どもに対する適切な教育や対応がなされていないことで、子どものメンタルや自尊心が正常に育たないという弊害が起きているということです。そんな今、社会ではどのような支援教育が行われているのでしょうか?
もくじ
あなたやお子さんもチェック!発達障害の特性を見てみよう
まず、発達障害 チェック項目から見ていきましょう。発達障害には大きく分けて3種類あり、それぞれでその特性が少しずつ違ってきます。また、当てはまるからといって発達障害が確定するものではありませんので、あくまで参考程度にチェックしてみてくださいね。
【ASDタイプ】
- 人と目を合わせない
- コミュニケーションが苦手
- こだわりが強い
- 急な環境の変化などに弱い
【ADHDタイプ】
- 忘れ物が多い
- 1つのことに集中できない
- 衝動的な行動が多い
- 落ち着きがない
- おしゃべりが止まらない
【LDタイプ】
- 字を書くと鏡文字になる
- 字を上手に書くのが苦手
- 暗記が苦手
- 計算が苦手
ご覧の通り、誰にでも当てはまりそうな発達障害 チェック項目ばかりですよね。これだけ、発達障害というのは身近なものになってきているということなんです。現在では、小学校の1クラスあたり10%弱は、発達障害児がいるといわれているんですよ。
発達障害の「グレーゾーン」とは?
発達障害の中にも、グレーゾーンと呼ばれる際どい程度があります。発達障害と診断するには条件が揃っていないけれども、健常児と比較すると発達障害の特性が見られる子どものことをいいますが、実はこのグレーゾーンの子どもも昨今ではとても多いといわれているんです。発達障害と診断されれば、アプローチを変えるなどの適切な対応ができますが、グレーゾーンの子どもたちはあくまで健常児と同じフィールドに立つことになりますので、当人たちにとっての負担がとても大きいことも、問題視されています。
発達障害、どんな支援教育がある?
昨今では、発達障害児向けの療育施設も増えてきており、困りごとに合わせて適切な支援や指導を受けられる機会も多くなっています。申し込んでから支援がスタートするまでには、まだまだ時間を要するという問題もあるようですが、子どもの発達状況に合わせた対応をしてもらえるというのは、発達障害児を育てる親御さんにとってとても心強く、明るい未来を切り開くきっかけにもなりますよね。どんな支援教育がなされているのか、見ていきましょう。
乳幼児健診での早期発見を強化
発達障害の特性は、「子どもらしさ」と重複する点もあり、乳幼児期には気づきにくいものも多くあります。たとえば、ADHDの特性である「落ち着きがない」というのは、ほとんどの子どもに当てはまるともいえますよね。しかし、ASDの特性である「目を合わせない」「強いこだわりがある」という点は、乳幼児健診で保健師の目に留まり、早期支援につながりやすいといわれています。
幼稚園・保育園では組織的支援を
乳幼児健診は数年に1度という頻度ですが、毎日子どもが過ごす幼稚園や保育園では、日ごろから子どもの様子を注意深く見て、発達障害の特性がある子どもへのケアや保護者への伝達がすすめられています。なかなか障害を需要できない保護者も多く、教員・保育士側と保護者側の双方に対するサポートが必要ともいわれているんですよ。
学校でも発達障害児ケアが
現在は、公立小学校であっても、また特別支援学級でなくても、発達障害を抱える生徒に対する適切な対応が見直されているそう。昔は、発達障害という認識が薄かったために、無理やり授業に参加させたり、椅子に縛り付けるように勉強させたりと、根性論で教育された人も多かったと思いますが、現在では落ち着きのない子に「クールダウン部屋」と呼ばれる別室を用意するなどの、多様性ある対応がなされる学校も増えてきているそうです。
まとめ
イマドキの発達障害児に対する支援は、昔と比べて充実していることが分かりますね。2023年3月に永眠した大食いタレント・菅原初代 息子さんも発達障害を患っており、女手一つで育ててきた母親亡き後、社会人として立派に生きていけるようエールが送られていますね。発達障害を抱える子ども、そして大人になってからそのように診断される人も増えている昨今、さらなる支援の徹底が求められます。